ZFSというファイルシステムを知っていますか。
元はSolaris向けに開発されたファイルシステムですが、数々の先進的機能を持っているため現在では様々なOS向けの移植プロジェクトが存在しています。今回は日本語情報が少ない、Mac向けZFSの話を中心に書いていくつもりです。
今回に限らず、このブログでは主にSolaris以外でのZFSについて書いていこうと思ってますので、ZFSそのものを知らないという人にはよくわからない話が続くと思います。
さて、様々なOSに移植されていると書いたZFSですが、私の知るところではFreeBSD、Linux、Macあたりに移植されています。
従来のソフトRAIDより優れた点が多いため、自作NAS等で用いられる機会の多いZFSですが、自作機でSolarisを動かすハードウェア的なハードルなどもあって最近はFreeBSD(あるいはFreeBSD派生のFreeNAS)で使われることが多いんじゃないでしょうか。
Linux向けのZFSとしてはzfs-fuseが有名ですが、最近はZFS on Linuxというfuseによらないネイティブ移植版も随分と使えるようになってきました。こちらについても機会があったら色々書きたいと思っています。
で、本題のMac向けZFSですが、こちらはあまり芳しくない状況でした。
Leopard〜Snow Leopardの頃はOS標準のファイルシステムがHFS+からZFSに移行するという話もあり、Apple公式の開発プロジェクトも盛んだったのですが、白紙に。公式プロジェクトも閉鎖されてしまいました。
成果物を引き継いだOSSのプロジェクトがmac-zfsとして発足しましたが、本家OSSの最終版であるv28に対してv8と、バージョンが古いものになってしまっています。安定版ではあるものの、最新の機能を使いたかったり4年?前のバージョンでは・・・という人もいるんじゃないかと思います。
そんな中、Apple公式のプロジェクトに携わってきた社員が設立したベンチャーから「ZEVO」という名称でv28ベースのMac向けZFSが出るという話が1,2年前ほどに出てきて、実際に今年の頭に出ました。が、有償製品であるとか肝心のRAIDZが使えるバージョンがまだ出てない(そして出ないまま終わった)とかで、ZEVOの期待外れ感は否めないものでした。
そんな折、今年の7月に先述のベンチャー(Ten's Complement)がGreenBytesというストレージ屋さん?に買収されました。ああこれでZEVOは使える製品が出ないままBtoBの世界へ消えていくのね・・・という感じでオワタ、という流れだったのですが。
数日後、なんと「ZEVO Community Edition」という形で無料のZEVOが9/15にリリースされると発表されました。フリーではなく無料というのが微妙なところで、つまりバイナリで配布とのことなんですが、それってライセンス的にどうなのとか致命的な機能制限とかはないのとか色々疑問もありましたがとにかく大きな動きでした。
(ソースコードに関する後日談ですが、「元のZFSはCDDLなんだからソースよこせ」と先述のmac-zfsの開発者がメール送ったらくれたみたいです。)
そして実際に、9/15にZEVO CEがリリースされました(1日くらい見逃してたけど!)。
無償版の制限としてプールのサイズ上限が16TBまでなのと、dedupが使えないこと、将来提供予定?のGUIツールが無い(要らん要らん)などがありますが、それ以外はRAIDZ1,2,3や圧縮等々一通り使えるとのことでかなりいけそうな感じになっています。やったね!
(zvolに関してはmac-zfs、ZEVO共に未実装で使えません。これは残念。)
今後は、ZEVOのセットアップとZEVO(&Mac)固有の挙動についてと、casesensitivityやnormalization等のHFS+との相互運用性に関する部分についての検証を書いていけたらなと思います。
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