というわけで出ました、MacBook Air Retina 12インチ改め「新しいMacBook」。
正直「11インチの筐体のベゼル削ってRetina12インチ液晶入れただけでしょ?」くらいに思っていてノーマークだったので、思いの外良いモノが出てきて動揺しました。
なにせ小さいVAIOが出なかった心理的ダメージを抱えていた上、資金的にもVAIO想定予算そのままの15万円前後(16万円)で出てきたので危うくポチりそうになった・・・らポチれなかった(販売開始前)のでよかった。
あまりにも素晴らしいMacだったので飛びつきたくなったものの、一晩経って考えてみると結構微妙な製品の気がしてきます。そのあたりをセグメントが被っているVAIO Proと比較しながら考えてみます。
その前に、新MacBookのどのあたりが「最高のMac」なのか。
予め断っておくと、最高といいつつMacBook Proとは比較しません。個人的にはMacProと比べどちらが最高のMacかというのと大差無いからです。「最高のMac」とか大げさなこと言いつつ実際に考えているのは「最高のモバイルMac」という話。
まずはサイズ・重量です。まさか11インチAirの幅より小さくなるとは。奥行きは微増ですが誤差みたいなもので、厚さも含め総じてAirよりコンパクトです。1kg切りも史上初なわけで、つまり事実上過去最小・最軽量のMacということに。小さくて軽いことは正義なので史上最高のMacなわけです。
まずは、と書いておいて最高なのはそれくらいです。繰り返しになりますが小さくて軽いことは正義なのでこれだけで充分最高のMacたり得ます。
逆にNGだと思ったのは厚さ。正直意味も無く薄すぎ、キーボードを犠牲にしているだけという印象しか無い。バッテリーをがんばって詰め込んだのはわかるけど、それでもCore Mで9時間しか駆動できないわけで、ポート類含めそれだけの犠牲を払う価値があったのだろうか?と思います。
極個人的なことで言えば、初代11インチAirを買った時からシルバーは全然好きじゃなかったので、スペースグレーが出たのはとんでもなく最高です。
まあ、モバイルMacにおいて最高と言っても結局11インチAirと比べてどうかという話だけなので、比較表を貼っておきます。こんなものどのメディアでも作られていますが、自分で作らないと済まない性格なのです。
優れている方を青くしています。SSD256GB同士の比較ですが、512GBにしても双方同じ額上がるだけです。
SSD256GB・メモリ8GBで並べると、実は1万円しか変わらなかったりします。i7モデルのパワーが必要であるとかでない限り、個人的にはこの表を見てAir11インチを買う理由なくね?と思います。
ここで新MacBookの方が劣っているのはCPUということになりますが、どちらもBroadwellの2コア4スレッドなので、「Core MとCore i5」というほどの差は無い気がします。
とはいえ、昨今のTurboBoost付きCPUの性能に関してはCPU本体だけでなく本体の冷却能力の要素も大きく、(レッツノートなどと違い)ファンレスにしている新MacBookではあまりターボが効かない可能性はあります。それでもピーク性能では1割程度しか変わらないので、エンコードとかならともかくレスポンス面で差が出るとは思いにくい。
オプションのCore M上位モデルはTB最大2.9GHzなので、これと比較もしてみたいのだが、オプションはまだ価格がわからないので比較できず。残念。
あ、GPUは別になんでもいいです。オンボは絵が出て動画デコードできれば。
そういえば以前、「Core M自体が駄作に思えてくる」なんて書きましたが、レッツノート程度しかロクな搭載製品しか出せないCPUじゃダメだろ、と思ったところでこれだけ凄いMacが出てきたのでOKです。
さて、こうして見ると実に素晴らしいベストバイなMacなのだが、PCとして見た時に実はそんな凄くないというのも事実です。非常にサイズの近いVAIO Pro 11インチ(285 x 197 x 16)とも比較してみます。
とにかく目に付くのは軽さです。Core i5を積んで新MacBookと同じサイズで150g軽くなって同等の駆動時間です。価格帯も同一。
VAIOの方がCPUの世代が古いですが、新MacBook、MacBook Air共にARKに載っていない最新CPUが供給されていることを考えると、後追いでBroadwellになるでしょう。
解像度もVAIOの方が低いものの、Airの1366x768ならともかくフルHDあれば充分高精細です。
唯一体感の性能に影響が出そうなのはSSDです。これは明らかにPCIeの方が速いので。
「VAIO ProにCore Mを載せたら」と考えると、更に軽くなるか駆動時間が延びると予想できるので、やはり性能面で革新的である、とは言い切れないものがあります。
まあこれはアルミユニボディのMacとカーボンのVAIOの差、というのが大きいんでしょうね・・・アルミの方が明らかに重くなるわけで、ユニボディの圧倒的な重厚感を取るか(VAIO Proは頑丈だとしてもペラく感じる)、カーボンの軽さを取るかが差に出ている気がします。
「ユニボディで1kgを切る」のであれば、バッテリーはここまでしか積めず、このバッテリーでRetinaを9時間持たせるにはCore Mしかなくて、小型基板のCore Mを載せるとここまで薄くなった、という一般的な想像とは逆の順序で厚さが決まったような妄想をしたくなる。
実際Retinaの消費電力はキツイんだろうなあと思うのが、Air11インチのバッテリー38Whrに対し新MacBookでは39.7Whrとむしろ増えている点。これで駆動時間が同じということはCore i→Core Mの消費電力減少分をRetinaが食っているわけで、2560x1600というキリのいい解像度にならなかったのもギリギリの攻防があったのでは?と予想させます。
ぐだぐだ書きましたが、ハードウェアとしては明らかにVAIO Pro 11の方が良いと思うわけです。フルHDで十分だし、ユニボディを必要とは思っていないので。となると770gはあまりにも偉大です。
ただ、どうしても立ちはだかるのが「OS XはMacでしか動かない」という点。OS XもWindows7/8.1もUbuntuも使うものの、選べるなら絶対OS Xです。これはOS Xが優れているとかではなく、慣れとか相性とかそういったところで個人的にOS Xが一番に感じているんです。
というわけで、「個人的に歴代最高のMac」として猛烈に欲しいけど、「個人的により優れたPC=VAIO Pro」を尻目にこれを買う、というのが結構苦渋の決断なわけです。悩ましい・・・
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