Ninja e-1が納車されて1ヶ月が経ち、300kmは走ったので、あんまりレビューとか試乗記に出てこなそうな話をダラダラと書いていきたいと思います。
まず、今のところ楽しく乗れており非常に満足してます。街乗りバイクとしてめちゃくちゃに扱いやすいので、街乗りメインの自分としてはかなりマッチしてます。
EVが苦手な冬になったらどうなのか、3年乗ったときのバッテリー劣化がどうなのかという不安はありますが。今は新車で迎える夏というベストコンディションですからね。乗っててもまったく熱くならないのでEVバイクが最も輝く季節です。
一方で、わかって買ってはいますがとにもかくにも航続距離が激短なので、街乗りに最適というか街乗り専用機という感覚で、1台運用は全然おすすめできないですね。行動範囲に絶対的な限界が出ちゃうので。
逆に言えば航続距離以外にはほとんど欠点を感じないので、2台目にはめっちゃ良いバイクだと思います。
ではここから色々な観点で書いていきます。
走行性能
このへんは試乗記とかでも出てくる話題なのでサラッとで良いですね。
まあ語り尽くされてますが加速です。蹴り出しで回転上がるまでのグ〜って頑張る感じがなくいきなりスピードが出るので、信号待ちの多い街乗りでは快適そのものです。クラッチもないし。ゼロ発進でもe-boostが使えるので、使うと飛んでいくような発進加速を体感できます。
かといってギクシャクした不自然な加速をするわけではなく、スロットルの開け方に対して違和感なくスルーっと動くのでよくできてるな〜と思います。よくできてないEVバイクに乗ったことはないんですけど。なので例えば渋滞で車0.5台分動いたときに5〜10km/hくらいでスルスル進んで止まる、みたいな操作も気持ちいいくらいスムーズにできます。
一方で、200km/hくらい出るんじゃないかという蹴り出しから想像もつかないくらいその後のスピードは伸びないです。ROADモードだと50km/hくらいまではヒューンと出ますがその先意外と伸びないな、という感じになるのでそのあたりだと125ccスクーター(PCX)よりパワー感無いです。e-boostありでPCXと同じくらいの最高出力なので、ROADモード単体だとさもありなんというところです。
ただe-boost使えば幹線道路の流れから追い越しかけるのに十分なパワーはあるので、高速乗れない原付二種としては合法範囲でまったく不足はありません。逆に、e-boostなかったら発進加速以外は非力に感じます。発進e-boostはネタ機能ですが、追い越しや合流のための中間加速e-boostは便利というよりは必須の機能という感覚。
ECOモードはただただ遅いので基本的に使わないです。航続距離が伸びるとは言うけども、ROADモードでもこんなゆっくり走ったら伸びるでしょって感じ。
あ、クソザコライダーなので乗り味とかハンドリングとかそういうのは全然わからないです。ライディングポジションとか取り回しとかはNinja 250/400と同一だと思うので適当に調べてください(投げやり)
e-boostゲージ
スイッチ押すと一定時間発動できるe-boostですが、この挙動については良い意味で思ってたのと違いました。
スペックだと最大15秒間となっているのですが、これは恐らくフルパワー時の持続時間で、全開じゃなければもっと長く使えます(持続時間ゲージが減りません)。e-boostなしでの最大パワーを超えている時間だけゲージが減っているっぽい?
なので、e-boost起動してゲージを消費して流れに乗り、そこからはパーシャルでゲージ減らさず一定時間走り、追い越しでまたゲージ消費、みたいな走り方もできます。同じ速度を出せるならe-boostなしでスロットル80%でもありで60%でも良いじゃん、というところなんですが、スロットル開けたときの追従性が良いのでe-boostオンのまま流すのも結構良いんですよね。ギアを1段下げるに近い感じ?
WALK MODE
EVであることを活かして前進5km/h・後退3km/hで動かせるWALK MODEがあります。名前からして押し歩きを想定してますが、日本国内だと公道では跨ってないと違法だと思われます。
乗る前はすごい便利そうだと思ってたんですが、実際のところ
- クワッと動くので狭い駐輪場では怖い
- 前進5km/hは同じく狭い場所だと結構速い
- 前進ならROADモードでも十分低速で動かしやすい(むしろWALKより制御しやすい?)
- ハンドル切りながらの後退は割と怖い
- そもそもe-1が軽い(140kg)ので必要性が薄い
といった感じで、意外と使いどころが無かったりします。その名の通り押し歩きには良いんでしょうが、駐輪場での切り返しのアシストとかにはちょっとパワフルすぎるように感じます。下りになっている駐輪スペースに頭から突っ込んでも脱出困難にならない、という安心感はありますけどね。
回生の挙動
EVなので当然エンジンブレーキは無いわけですが、代わり(?)に回生システムが搭載されています。回生ブレーキとは称していないので、単純にアクセルオフ時に一定の回生がかかるタイプで、リアブレーキを踏むと回生が強くなるとかそういう制御は無さそうです。
さて、この回生ですが中々面白い挙動をします。
まず、満充電状態だとほぼ効きません。スクーターと同じように滑走していきます。1km前後か1〜2%か、それくらい走ると効き始める感覚です。これはバッテリーへの過充電防止でしょうね。
回生効率が100%を超えることはあり得ないのでちょっとでも走って回生なら過充電にはならないはずですが、高台に住んでいて満充電から低地に向かって走り出す場合は、位置エネルギーが注ぎ込まれる形で過充電になるリスクを考慮しているんでしょうか?自分がまさにそのケースで自宅すぐ近くに長い下り坂があるので、助かっているかもしれません。
そこから5kmくらい?10%くらい?走るとフルで効いている気がしてきます。感覚ガバガバなのでアテにならないですが・・・
残60%まで減らないと回生されないというツイートもあるんですが、実際どうなんでしょうね。体感としてはもっとすぐに弱いエンブレ様のものは効いてきますし、それがバッテリーに戻らず抵抗などに逃がしているとしたら、満充電時も逃がして最初から効かせれば良いわけで、そんな機構は無いと思うんですが・・・
あと、他に面白い点としてECOモードにすると回生の効きが弱くなります。ECOモードは1個のバッテリーからしか電気を引いてきていない気がしており※、回生も1バッテリーにしか戻さないから充電抵抗が少ないとかでしょうかね?
(※ バッテリーを片方抜いて1個刺しでも走るんですが、そのときはROAD/ECO切り替えができず体感的にECO相当の走行性能のため。ただし、ECOモードで片減りするわけではないので、どちらのバッテリーから電気引くかは一定周期で切り替わっていると思います)
航続距離
※新品かつ真夏というバッテリーにとってのベストコンディションであることに注意
さて、e-1最大の弱点、航続距離についてです。e-1はガソリン車と異なり突然止まるというわけではなく、以下のフェーズを経て最終的に電欠します。
- バッテリー残35%以下 : e-boostが使用不可に(亀マーク点灯)(海外公式)
- バッテリー残20%以下 : バッテリーマーク・残量ゲージが点滅(説明書p29)
- バッテリー残10%以下 : RANGE(残航続距離)が -- になり表示されなくなる(説明書p43)
自分は 2. を過ぎて残17%までは引っ張りましたが 3. は未体験です。そして 1. あたりから段々スピードが出なくなっていって、3. の頃にはECOモード同然になるようです。各種レビュー動画を見る限り最後は歩くより遅くなりジエンド、といった具合ですね。
それぞれどれくらい走れるかという話なんですが、今のところ自分の使い方においては 1. の状態までに40km前後走ります。2. は1回しか達していませんが、今までの記録からすると 2. になる前に50km以上は走れる計算です。
ということで計算上は 3. に至るまで60km以上走れることになり、公式スペック(55km)よりも今のところ走れそうです。が、もっと早く電欠したという動画も散見されます。違いはなんでしょうか?
- 季節
- 空気抵抗
- 平均巡航速度
まず季節。Youtubeに上がっているNinja e-1のメーカー試乗車レビューは2月くらいのものなので、バッテリーが冷えて航続距離が縮んだ?
次に空気抵抗。Ninja e-1がではなくネイキッドのZ e-1との違いですね。この2台はカウル以外共通で、しかもNinjaの方が5kg重いにも関わらずZの方が航続距離が2km短く、電力消費率が2Wh/km高いので、空気抵抗はかなり効いてきそうなんですよね。
最後に平均巡航速度。空気抵抗の電費への影響が大きそうと考えると速度は効きそうです。ミッションが無いe-1にとっては速度=回転数ですしね。感覚としても、ストップアンドゴーの多さより、巡航速度の高さに航続距離が左右されるように思えます。例えば渋滞にはまると、ガソリン車の感覚とは真逆でRANGEがモリモリ伸びていきます。15km走ってRANGEが75kmと表示されたことも。
前述の通りe-boostが使えないと困るので、自分は亀マークが出たらその日には充電するようにしています。帰り道に亀マークが出ることは許容しつつ、電欠に怯えず外出できる範囲は往復50kmかなと。予定の時点で50kmであれば、思ったより流れが早かったりナビに遠回りを案内されたとしても不安なく帰れそうと思ってます。
往復60kmともなると、ルートは固定・ゆっくり走るを徹底した上でもほうほうの体で帰ることになりそうで、ちょっと実用的ではなさそう。
充電運用
e-1を買うにあたって不安視していたのが充電の運用ですが、これについては確立できてきました。
前回書いた通り賃貸のため屋外コンセントはありませんので条件は悪いほうだと思います。そもそもオフボード充電コネクタを付けていないので直接充電できませんし。
そこで現在は以下の運用をしています。
- 帰宅時に亀マークが出ていたら、バッテリー1個だけ持って部屋に戻る
- 充電が完了したら、駐輪場に持っていって2個目のバッテリーと入れ替える
- 2個目のバッテリーを充電
- 翌日乗るときに持っていって装填
ポイントはバッテリーを1個ずつ持ち運ぶことです。2個持っていくと単純に重いだけでなく両手が塞がってしまいますが、1個なら帰宅時に片手で持って他の荷物等も抱えながら部屋に戻れます。
そして、1個目の回収と2個目の装填をそれぞれ帰宅時と出発時に被せるので、バッテリー交換のために駐輪場と部屋を往復するのは1個目の装填と2個目の回収をする1回で済みます。
バッテリー1個の充電は4時間弱で終わるので、よっぽど遅く帰ってこなければ当日中に2個目の充電を開始できます。2個目は寝ている間に充電していればOKです。
余談ですが、満充電が続くとバッテリーに良くないと思うので、翌日乗る可能性が無い場合は充電しないように心がけています。
これを40〜50km走行ごとにやるのは手間といえば手間ですが、今のところ苦痛は感じていないです。ただ、通勤通学に使っていない者としての感想なので、毎日充電する人にはちょっとキツい気はしますね。仕事帰りに毎日これ持って上がるのかというと・・・
積載とかホルダーとか
e-1の特徴として、ダミータンクのバッテリー上部の空間が積載スペースになっています。レインスーツとポケッタブルリュックくらいは詰め込めました。メインキーで施錠できるので入れっぱなしにできて便利です。が、バッテリー充電の度にどかさないといけないのでそこは不便です。
ダミータンクだけでは不足するので、シートバッグを取り付けました。購入したのはTANAXのシェルシートバッグ2 GTです。見栄えを気にしてより小ぶりなMTと迷ったのですが、GTでも特に不格好ではなく、かつもうちょっと積めたらなお良いなと思えるくらいだったのでGTにしておいて良かったです。冒頭の写真でも取り付けていますが、シルバーがボディーカラーとマッチしていて非常に良い感じです。
取り付け方法はこの動画を丸パクリで、付属のKシステムベルトは使わず別途固定ベルト(MP-353)を買って取り付けています。動画はZX-25Rですが、e-1でもバッチリ固定できました。
まあ、e-1の後ろ半分はNinja 250/400と共通なので、このへんは何もe-1情報として書くほどのことでもないですが・・・
Ninja e-1固有の話としては、クラッチレバーが無いことで本来取り付ける場所に
このような余白があり、クランプで挟めます。直接スマホホルダーを付けると窮屈で位置が悪いので、こういうのを取り付けることでかなり自由度高く配置できています。バーハンドルのZ e-1には関係ありませんけどね。
次回予告
結局いつも通り長くなってしまいました。
次回はもうちょっとデジモノオタク的視点で、バッテリースペックからe-1のパワー制御について考察してみたいと思います。
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