そしてサポート対象モデルはある程度予想できる範囲でガッツリ削られたわけですが、何より重要だったのがTahoeがIntel Macに対応する最後のmacOSになると明言されたこと。来年にmacOS 27が出て「Intel Macサポートされてない!」で初めて明らかになるではなく、事前に明かされましたね。
近年のmacOSは1年毎にメジャーバージョンがリリースされ、直近3バージョンに対してセキュリティアップデートが提供されるので、2028年秋にmacOS 29が出た時点で、macOS 26はサポート対象ではなくなります。セキュリティアップデートが提供されなくなったOSを使い続けることは安全ではなく、また各種サードパーティソフトウェアもサポートから外していくことになるので、実用が困難になります。ですので、2028年秋が実用としてのHackintoshの終わり、ということが確定したことになります。
ということで、今回はこの3年間をどうしていくか、そしてその先のことを考えてみます。
答え合わせ
その前にまずHackintosh終了に関する予測の答え合わせをw
Apple Siliconへの移行が発表されて半年後の4年前の時点では、
早ければ2025年、遅くとも2027年にHackintoshは使えなくなると考えています。
と予想していました。昨年のmacOS 15 Sequoiaでのサポート切りが穏当だったこともあり、1年ズレたのでハズレですね。
今年初めに改めて整理したときは
今年出るmacOS 16が最後のIntelサポートmacOSになり、2028年には実用不可になる可能性が高いんじゃないかと思っています。
としており、バージョン規則が変わったことはさておき予想通りになりました。といっても2025年に入ったらもうだいたいわかりますよね。
4年前の時点で誤差1年で予測できていたのはまあまあ筋が良かったんじゃないかなとは思います。Mac ProのApple Silicon化は1年ほど遅れた感もあるので、意外と当時はAppleもmacOS 15あたりでIntelやめるつもりだったんじゃないかなと思ったり。
最終的にデザイン刷新されたmacOS 26まで延命され、当面このデザインスキームは変わらないと思われるので、結果的にHackintoshの最期まで陳腐化しない見た目のmacOSを使うことができるようにはなりましたね。別にTahoeのデザインが良い!というわけでもないですが、違和感無く使い続けられますからね。
macOS 26の互換性
さて、macOS 26でHackintoshが終わりという前提で話してはきましたが、そもそもmacOS 26がIntel Macに対応するとはいえ、満足にHackintoshができるものなのかということは確かめる必要があります。
個人的には今のところX280で軽く試した程度(冒頭の画像)ですが、大きな問題は無さそうです。いくつかのポイントを挙げて現状整理しておきます。
OpenCore
Releaseでは動作しませんが既にnightlyでは動作します。大きな問題は無さそうです。
Intel iGPU
Coffee Lake世代のMacがサポート外となったため、Skylake/Kaby Lake/Coffee Lake/Comet LakeのiGPUについての不安はあります。
ただ、サポート対象のMacBook Pro 2019がdGPUモデルながらiGPU動作モードも備えているため、Coffee Lake用のkextが利用できそうですし、経験上Coffee LakeのFramebufferであればKaby Lake-RのiGPU(UHD 620)も動作させられるため、X280/X1 Carbonについて問題は無いかなと思っています。
また、少なくとも現時点のDeveloper PreviewではKaby Lakeのkextも残っており、X280はこれで動作しているため、これがリリース版でも残るのであれば何の問題もなさそうです。
GPD WIN MaxのiGPUはIce Lakeなので問題ないでしょう。
AMD iGPU
NootedRedは既にOpenCore / Liluのnightlyと組み合わせれば動くようなので問題無さそうです。
USB
USB port mappingが必要な構成で使うUSBMap.kextまたはUTBMap.kextが動作しなくなっています。ただこちらも既に修正は存在するらしいので、リリースまでには問題なく動くようになっているでしょう。
OpenCore Legacy Patcher
OCLPについては動向不明です。こればっかりは非常にヘビーな開発になるためそんなにすぐには出てこないでしょう。
実用のHackintoshとしてはWiFiで必要なだけなので、OCLPの全ての機能がTahoeに対応できなかったとしてもWiFiくらいはなんとかなりそうな気はしています。
最悪OCLPがまったく使えなかったとしても、Intel WiFiに換装してitlwm.kextを使えば最低限動くようにはなるので、WiFiがまったく使えないとはならないでしょう。またAirportItlwm.kextのvanilla Sequioa対応開発も進んでいるようなので、順調に行けばTahoeでもAirportItlwm.kextがOCLP無しで動くようになるかもしれません。
唯一、10.4 Tigerから15 Sequioaまで動くようにしているネタHackintoshは最新macOSの動作についてOCLPに強く依存しているので、OCLPのNon-Metal GPUサポートがTahoe対応できないと行き詰まる、ということになってしまいます。TahoeでIntel Mac終了が決まった以上、なんとかIntel Mac初代から最終まで一貫で動くHackintoshを結実させたいものですが・・・!
最後のHackintosh
前回、Arrow Lakeで組むHackintoshが最後だろうと書きましたが、実際のところ既に組みました。しかも最近組んだわけではなくて前回書いた直後に組んでいて、2月からメインPCとして実戦投入まで済んでいます。
ということで、どういうのを組もうかじゃなくどういうのを組んだかになるわけですが、以下のような構成になりました。
- マザーボード : PRO B860M-A WIFI
- CPU : Intel Core Ultra 9 285K
- メモリ : DDR5-5600 48GB x2 = 96GB
- GPU : AMD Radeon RX 6600 XT
- 有線LAN : Intel X540-T2 10GbE x2
- 無線LAN+BT : Apple BCM943602CS
- SSD(OS) : WD SN850X PCIe 4.0 NVMe 2TB
- SSD(Data) : Sandisk Ultra II SATA3 2TBx4
CPUはHEDT系を除けば現行Intel最上位、AMDならもっと良いのがあるもののHackintoshにおいては互換性で見劣りするので、現実的な範囲では最も良いやつでしょう。Intel CPUのP+Eコア構成を認識できないmacOSでパフォーマンスを発揮するためには拙作のCpuTopologyRebuildが必要ですが、既にArrow Lake対応済みです。もしTahoeで動かなかったとしても自分でなんとかします。
メモリは安かったので過剰に盛ってます。多分64GBで十分だった。
グラボは2025年時点では見劣りしますがHackintoshではRDNA2までしか使えません。使える範囲ではRX 6900 XTが最上位になるわけですが、ゲームもAIワークロードも別途Windows機のGeForceでやれば良いので絶対性能は不要です。映像出力はHDMI 2.1・DP 1.4が計4本出力できるので2025年基準でもOKでしょう。だったらRX 6600で良かったんではというとそうなんですが。
有線LANに関してはマザーボードのオンボードNIC用ドライバが無いのと、10GbE化したかったのでIntel X540の中華カードを積んでいます。相当古いチップなので2.5/5GbEが使えないなどありますが、10GbE理論値も出ており今のところ問題なく使えています。
無線LAN自体は有線LANを使っているため不要ですが、位置情報利用や各種ContinuityのためにApple純正カードを変換アダプタに載せて使っています。無線LANのためにOCLPが必要にはなっちゃっていますが。
OS用SSDについては、マザーボードはPCIe 5.0には対応しているものの価格差に対して体感変わると思えなかったので4.0のSSDです。適当に使っていると1TBは微妙に足りないので2TB。
また、別途データストレージ用にSATA SSDを4台積んでいて、ZFS RAID-Zで動かしています。HDDのNASはありますがもっと速いストレージが欲しかったのと、SSDのNASを組むと高価だったのでローカルでRAID-Zを構築してHackintosh自体をLANに開放してNAS代わりにしています(常時起動なので)。macOS用のZFSがあるおかげですね。ZFSはHackintoshに関係なく活発に開発されているので、Tahoe対応もされると思っています。
総じて、無線LAN+BTに関してはOCLP頼りなため先行き不透明ですが、それ以外はTahoeでも問題なく動作させられる構成になっていると思います。メインで常時使っているのでインストール試行はできていませんが。Hackintoshいじりするときの母艦そのものなので意外と検証が面倒なんですよね。
現状でそれなりに不足のない構成になっていることもありますし、ここからHackintosh終了までにアップグレードすることも無いと思います。
そもそもLGA1851向けにはArrow Lake Refreshしか出ないようですし、2027年頭にNova Lakeでマザーボードから組み直して1年半使うなんてことをするくらいならMacを買いますね。GPUなどそれ以外のコンポーネントはもうアップグレードの余地もないですし、せいぜいストレージを入れ替えるくらいでしょう。
メインPCとしてではなく、実用を度外視すると?という観点だと、CPU自体は後方互換性があるので多分いつまでもTahoeが動かせてしまいます。PCIe/SATA/USBと言った基本的なIFは不変で、オーディオ周りもそうそう変わらない(&USB DACでなんとかなる)ので、あとはRX 6600とNICが壊れない限り10年後の自作PCでも動かそうと思えば動かせそうという。盆栽趣味として細々続けるのは面白いかもしれませんね。
非実用はさておき、メインPCとしてはこの世間一般では不評なArrow LakeのHackintoshを最後の一台として使っていくつもりです。
その先(次回予告)
さて、自分にとってHackintoshは趣味ではありますが、バリバリの実用機として使っているという実態があるため、Hackintoshができなくなったからといってさようならだけでは済まず、後継となるメインPC環境をHackintoshと関係なく用意しないといけません。
可能性としては自作PCのままWindows or Linux移行するかApple Silicon Macにするかというところなんですが、前者は何のネタにもならないので後者で考えます。
Apple Silicon Macを使うだけのことがネタになるのか?というと、Hackintoshで実現できている性能と拡張性をどう維持するかは結構ハードルが高いので、そこがネタになるかなと。
また、どのモデルをいつ買うかという話もあります。Hackintoshが使えなくなるのは2028年秋ですが、果たしてそこまで引っ張るのかどうか。個人的には2027年にM6かM7あたりのMacを買っておこうかな〜という気持ちになっています。
なぜかというと、x64ソフトウェアをApple Silicon Macで動かすためのRosetta 2が2026年のmacOS 27までで終了してしまうためです。2027年秋以降に買ったMacはmacOS 28がプリインストールされ、x64ソフトウェアを動作させる手段が無くなってしまうため、その前のタイミングでMacを購入し、macOS 27環境を残しておきたい気持ちがちょっとあります。
とはいえ未来のMacのスペックなどわからないので、次回は手持ちのM4 Pro Mac miniでアレコレ検証した結果を元に、今のHackintoshを置き換えうるMacの構成・拡張というものを考えていきたいと思います。ではでは。
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