2019/07/09

8インチUMPCどれ買おう問題


表題通り、2019年に相次いで発表された8インチ台のUMPC(というかもはやミニノートか)、全部買うわけにはいかないのでどれを買おうかという話。

かつてThinkPad 8をUMPC的に使おうとしたりキーボード付きのGalaxy Tabを買ったりするくらい、8インチ台前半のミニノートって「フルキーボードが載せられる最小ライン」という感じで個人的には非常に良いと思っているので、何かしら買うつもりではあるんですがなんか突然色々なところからボコボコ出てきたもので。全部一長一短だし。

というわけで超私見による比較を交えながら興味のない順に見ていきます。



Topjoy Falcon/Falcon2


えー、コイツは最初からナシでいいんじゃないですかね。欲しい人には申し訳ないですが。

公式の写真ですら見た目がチープだし、8インチ液晶のくせにGPD Pocket/One Mixと同じようなクソ配列キーボードだし。コスパにおいてさえMinibookのCeleron版に及ばないので、正直検討対象外という感じでロクに調べてもないです。


GPD P2 Max



お次はGPD Pocket 2 Max改め、「ポケットには入らなくね?」と気づいたGPD P2 Max。

コイツは他のミニノートとは異色で、8.9インチ液晶となっておりワンサイズ大きいPCとなっています。そのためUMPCではなくUltrabookと称している。

8.9インチといえば、一時期粗製乱造されまくったネットブックがほとんどこのサイズの液晶で、自分がかつて使っていたInterLink XP741も8.9インチだったので懐かしさはあります。

UMPCやUltrabookの定義についてとやかく言うつもりはありませんが、実際P2 Maxは「小さいノートPC」という感じで良くも悪くもイロモノ感に欠けます。

いちノートPCとして見た場合、ネットブックサイズの液晶を備えつつ幅213mm・650gに抑えており、それでいてCPU・メモリ・SSDそれぞれCore m3・最大16GB・NVMeなので一見スキが無いようには思えます。


が、このキーボードはダメだろ。トラックパッドを搭載した結果5列キーボードになってしまっています。それ以外の部分も幅を活かせていないキー数だとか色々と微妙で、印象だけだとGPD Pocket 2の方がマシにさえ思える。UMPCであれば妥協の一種としてアリかもしれませんが、よりによって普通のノートPCライクに作ろうとしているP2 Maxがこれでは意味がないんじゃないかと。

結局、こうしたUMPC的な妥協があると「小さいノートPC」ではなく「大きなUMPC」になってしまうので、「でかい分ダメじゃん・・・」という気分になってしまう。

一応フォローも入れておくと、Fn併用キーがかなり多いのでカスタマイズのしがいはあるかもしれません(論理的な送出キーコード数は多いということなので)。


特に、上記日本語配列はかなりFn併用キーが多いので、日本語配列版なら更に割当可能キーが増えますし、おそらくハードウェア/ファームウェアレベルでは英字配列版も同一なので英字配列でもなんかしらのキーコードが取れるかもしれないです(自分だったら英字配列版買ってFn併用キー使うために日本語配列を適用した上で手動で全部リマップしそう)。

ですが、上述の通り「ちゃんとしたキーボードが載る」という8.9インチ化の最大の恩恵が実現できていない以上自分はパスかなと・・・


ところで、お前もUSB上下逆かよ!(レンダリングのミスだと思いたいが)


CHUWI MiniBook



ここからが本命。GPD、One-Netbookに続く第3?勢力CHUWIによるMinibookです。

詳細なスペックや試作機レビューはそこら中にあるのでざっくり紹介すると、GPD PocketよりはOneMix寄りのYogaタイプUMPCで、8インチジャスト液晶のため8インチUMPC勢では最も小ぶりな幅201mmの製品です。

CPUやメモリに特筆すべき点はなく、ストレージもeMMCですが、特徴としては
  • キーボードが比較的まとも
  • M.2 SSDを増設できる(Core m3ならNVMe、CeleronならSATA)
  • 安い(早期出資だとm3が$499・Celeronが$399だった)
といったところでしょうか。個人的には黒いのも嬉しい。


キーボードはこんな感じなので、個人的に無理な「1がQの右上にある」は回避されています。右下はFnよりCtrlが好きですけどね・・・Aを横長にしてCapsLockをFn+Aとしたのはなかなかいいアイデアだと思います。

8.0インチ液晶ながら後述のOneMix 3とほぼ同サイズでコンパクトさも特徴にはならないので、とにかく安いのがウリといったところ。と書くとチープっぽいですが、むしろキーボードバックライトのような高級志向の装備もついていて安いという点が光ります(バックライトだけに)

どうしてもホビーとしてosx86コンパチを気にしてしまうのですが、eMMCは認識できない一方M.2 SSDを増設すれば多分起動できるのでそれは嬉しい点。M.2 2242のNVMe SSDは入手性が悪いので、m3モデルでもSATAが使えると嬉しいんですが。

もちろん私はレビュー機なんぞ持っていないので、OneMix 3との比較含めPC Watchの記事とか読むといいんじゃないかと思います。


One-Netbook OneMix 3S



8インチ台UMPCでぶっちぎりのハイエンドなのがこのOneMix 3あるいは3Sです。

スペックはギガ盛りで他製品との比較に置いては言うことないです。8.4インチで2560x1600の液晶、幅203mm・厚さ15mmの筐体、オンボードNVMe SSD、キーボードバックライト、Surface互換のペン対応タッチパネルetc・・・

ベーシックモデルでこれで、3SではSSD512GB・メモリ16GB、3S Platinumに至ってはi7になるのでもう胃もたれするほどです。


キーボードもだいぶマトモで、個人的にはCtrl/Fnの配置周りでCHUWI MiniBookよりちょっと良いかな?くらい。

また、無印3ではMiniBookと同じくM.2 SSD(ただしSATA)の増設にも対応しています。上位モデルの3S/Platinumでは対応してないのがややこしい(メモリ増設でM.2スペースが潰れたらしい)。

osx86コンパチを考えても、オンボードSSDはNVMeなのでブート可、無印3ならM.2 SSDを使っての別ディスクブートも可能です。また、タッチパネルがSurface互換とするとUPDDあたりを導入すればタッチパネルすら使用可能かもしれません。

スペック的には他を寄せ付けないので、正直「これ買って終わり!」としたいんですが、最大の欠点は価格です。Presaleだと無印3すら$760、3Sにペン付けると$930、Platinum+ペンに至っては$1300とぶっちぎりに高いです。

個人的には、スペックでは無印3で構わないんですが、どうしても黒が欲しいのでそうすると3Sになってしまいます。逆にこっちはSSDが増設できず遊べないという問題もあり・・・

MiniBookというコスパ番長がいることもあり、1にも2にも価格がネックです。それ以外は「現状発表されているものの中では」非の打ち所がないと思うんですけどね・・・


で、結局どれ買うの?


一旦CHUWI MiniBookのCore m3・8GB・128GBモデルをIndiegogoで出資しました。ほぼ全てにおいてOneMix 3Sの方がスペック的には上回っていると思いますが、さすがに2倍近い価格差を正当化することは難しく。無印3が黒かったらそっちにしてたんですが。

Celeronでもよかったんですがm3にしたのはosx86遊び代ですね。SATA SSD刺さらなかったら出費かさむんで泣きますけど・・・

メモリは$10で16GBに増設するPerkを逃したので見送りです。$10ならいいけど、$35なら要らないかなと。

本来、今までの「UMPCに散財を惜しまない」スタンスでいけばOneMix 3Sを買ってたと思うんですが、回避した理由が価格差以外にもあります。

それは「LTEモデルが出るかもしれない」という点です。

元々OneMix 3は情報公開時はLTEが載ると言われており、試作機の筐体にはSIMスロットもありました。おそらく、無印3のM.2スロットもLTE/SSD兼用として付いていたものだったんじゃないかと思います(PC Watch記事の分解写真を見る限り、LTEカードサイズの3042も入るように見える)。
(多分今でも無印3ならLTEモデムが刺さる気がしますが、SIMスロットとアンテナが無いので使えないでしょう)

これが何らかの障壁(地域ごとのLTEモデムを載せるのが難しい等)でキャンセルされてしまったのなら仕方ないですが、もし出し惜しみで載らなかっただけで今後LTEモデルが出るとしたら絶対にこちらが欲しい

レッツノートRZ6でLTEモデルを買いましたが、やはりLTE内蔵はテザリングしたりUSBモデム使うのとは別次元の利便性があります。UMPCなら尚更欲しい。

想像通りM.2のLTEカードが刺さるとしたら、中国国内専用モデルになっても日本向けLTEモデムを買ってきて交換できるのでバンドもしっかりカバーできるはずです。また、対応バンドを妥協すればosx86コンパチなモデムさえ刺せます。

もしLTEモデルが出て、非LTEのOneMix 3Sを持っていてもどうしようもなく、また$1000前後払って買い替えかよ、となると辛いものがあるので、今回は安いMiniBookで妥協して(あるかどうかもわからない)本命を待つことにしました。

結局出なかったとしても、MiniBookを安く買って使えたで良いですし、後からLTEモデルが出ても$499ならMiniBookも繋ぎとして持っていて良かったかなと思えるので。

まあ、16GB積むとM.2のスペースが無くなっちゃうことが発覚したので、LTEなし16GB/LTEあり8GBのラインナップだと上下関係が微妙になっちゃうんですよね。3S・Platinumを出すにあたってLTEと16GBを天秤にかけてLTEが捨てられた気もするので、OneMix 4までLTEが出ない、といったことも十分考えられますが。

理想としては、MiniBookのIndiegogoキャンペーンが終わる前にLTE搭載・黒のOneMixが発表されることですね!そうしたらMiniBookをrefundしてOneMixに特攻できるので!

2 件のコメント:

  1. はじめまして。
    8インチのUMPC4機種比較、面白く読ませてもらいました。

    個人的には、GPD(P2 Max) => OneNetbook(3) => TopJoy(Falcon)です。
    CHUWI(MiniBook)は会社として信頼できず、検討にも入りません。

    GPDはWin 2、Pocket 2までにかなり成長しましたが、MicroPCではWindowsのシリアル問題や画面の立て付けの悪さなどが出ており、悪い形の手抜きをし始めたかなと感じてます。

    OneNetbookは3シリーズの価格がネックです。
    また、技適をかなり最近まで取ってくれていなかった事もマイナスポイントです。

    TopJoyは初製品(Falcon)の初期ロットですら技適を取ってくれているので、意欲を感じます。
    ただ、タッチセンサー式のマウスポインティングデバイスは過敏でまるでOneMix 1(初代)のそれのような点と、キーボードの打ち心地が最近のUMPCとして標準的なレベルですが悪いという点があります。

    CHUWIはindiegogoでタブレット(Surface)タイプの物や普通のノートタイプのPCを出していますが、高い頻度でコメント欄にトラブル報告が出ます。
    MakuakeではAndroidタブレットのHi9シリーズのクラウドファンディングで炎上していますし、これで被害を受けた自分としては、正直日本に進出できるレベルでは無い会社だと思っています。

    TopJoyが初代機の開発がスムーズに進んでいないにも関わらず、Falcon 2なんて発言をしなければ、もっと信頼できた部分もあるのですが。

    ながながと失礼しました。

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    1. はじめまして。コメントありがとうございます。

      持っているGPD製品は基本的にIndiegogoのロットなんですが、自分の場合は画面の立て付け等はMicroPCの方が初代WINとかよりもしっかりしているなと感じていたので、また個体差の激しい時代に戻ってしまったかもしれませんね。

      CHUWI製品を既に経験済みの方だとまた違った視点がありますね。正直自分も安かろう悪かろうな面があるのかなと思いつつ、さすがにOneMix 3が高すぎて・・・という感じではあります。

      TopJoyは新興なだけにもうちょっとモデルを積み重ねる必要がある気がしますね。だからこそのFalcon 2だったんでしょうが・・・そういう意味では、コンスタントに1年1モデルくらいのペースで出してくるGPDの方が「損なモデルを買わされるかも」とやきもきさせられることはないんですけどね。

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